ドラクエ2 ゲームブック 〜エピローグ〜
「くーん、くーん…。」
街へ入ると、すぐに例の子犬が2人を見つけて、駆け寄ってきた。
「よぉっ」
が子犬の前にしゃがみこむ。……と、子犬はそのままにハイスピードで突進した。
――どすっ!!
は見事にひっくり返った。

…読んだことある。飛ばす

子犬はそのまま何事もなかったかのように走り抜け、クッキーに跳びついた。
「あははっ」
クッキーは子犬を抱きかかえ、ひっくり返ったを指さして笑った。

「てっ、てっ、てっめ〜!!」
は起きあがって子犬をにらみつけた。
「おまえの為にな、俺たちゃ、どんだけ苦労したと思ってんだ…!!」
「……」
子犬はつーんとすまして、知らん振りしている。
「おい、やっぱ、違うんじゃねぇのか?!」
「うーん、そんなことないと思うけど〜?」
クッキーは子犬を地面に降ろし、道具袋から、金色の淵の手鏡を取り出した。
「これで、呪いがとけるんだよね…」
「もし、こいつが、そーならな」
は子犬に疑わしそうな視線を投げた。
「じゃ、いくよ…」
子犬はきょとんとしている。
クッキーは、ラーの鏡を差し出して、子犬の姿を鏡に映した。

と、その、瞬間…!!
子犬を中心に、辺りがぱぁっと白く光り、鏡がパァンッと派手な音を立てて砕け散った。
「わあぁっ」
クッキーは思わず鏡を取り落としそうになった。
あまりの眩しさにおもわず目を閉じる。
そして。
光がおさまると……。

そこには、目も眩むほどに美しい、一人の少女が呆然として座っていた。
華奢な身体。長いまつげに、大きな赤い瞳。
少女は、まじまじと自分の手を見つめ、そして背を覆う美しい桃色の髪に触れた。
「ああ、元の姿に戻れるなんて……。もう、ずっとあのままかと思ったわ…。」
つぶやき、潤んだ瞳で2人を見上げる。
「ありがとう…。わたしは、ムーンブルク王の娘、プリン。わたしも、仲間にしてくれる…?」

クッキーは、しばし王女にみとれていたが、
「…うん。もちろんだよ。ね、
と、すぐにいつもののんびり口調で、にこにこしながら言った。
「お、お、おう…」
は、プリンの美しさに目を奪われ、硬直したまま答えた。
「ぼくは、サマルトリアのクッキー。こっちは、ローレシアのだよ、よろしくね。」
「ええ、よろしく」
プリンは花がほころぶように笑った。

「…、何か、言ったら?」
「………」
はまだ硬直している。
と、不意にプリンは立ちあがり、両手を伸ばしての手を取った。
「え、えっ…!?」
は顔を真っ赤にして露骨に動揺した。
プリンはにっこりと花の微笑みを浮かべた。
「…この間は、手厚い扱いを、どうもありがとう」
微笑んだままそう言うと、ぎゅうぅ〜っっっと思いきりの手を握り締めた。
「いぃってぇぇ〜〜!!」
は思わず跳びあがって叫んだ。
そして、自分の身に起きた出来事が信じられないと言う様子で、まだ痛みの残る手と、美しい王女を見比べる。
「うふふふふっ」
プリンは満足そうに微笑み、クッキーにウィンクした。
「………」

――なんか…、仲間は揃ったのに、先が、思いやられるな〜。

クッキーはぼんやり思った。


END.
Congratulations !!
お疲れ様でした!あなたは人目の王子様です!!
さらにこの続きが気になる方は、「少女小説ドラゴンクエスト2」をお楽しみくださいませ♪(笑)