ドラクエ2 ゲームブック 〜王女の呪い〜
気づくとそこは見覚えのある場所だった。
見覚えがあるというよりは見慣れている。見慣れていても懐かしい。

ここは…??


「おお!気がついたかよ!」

「親父っ!?」

は驚いて跳ね起きた。
そこには紛れも無い父・ローレシア王の皺とひげだらけの顔があったのだ。
まさか…!

ごくりとつばを飲み込んで、周囲を見回す。
間違えようもなかった。この部屋は自分のもの。ローレシア王子その人の部屋である。

「な、なんで、クッキーは!?」

「クッキー王子なら既に目覚めてお前を待っている」

ここでようやくは自分の置かれている状況が飲み込めた。
冒険に失敗して戻されてしまったのだ。

王は涙目でを見つめた。
「全く情けない…。死んでしまうとは何事じゃ!」

何事じゃとは何事じゃ!!!

は怒鳴りつけたい衝動を必死で堪えてぜぇぜぇと息をついた。

「そなたにもう一度機会を与えよう。再びこのようなことがないようにな。ではゆけぃ!よ!」
王は大げさな声を張り上げると、ビシィッとポーズを決めて部屋の扉を指差した。

”いたわり”とかそう言うものを期待してはいけないらしい。
は深いため息をつきベッドを這い出した。


――ちっくしょう、またムーンブルクまで歩いて行かなきゃならねぇのかよ…っ!!


こうして一行は再びムーンブルク城を目指し旅立っていった…。

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