ドラクエ2 ゲームブック 〜王女の呪い〜
ずぶ、ずぶ、ずぶ…。
一歩ごとに体力が吸い取られる毒の沼地。
腰まで漬かって歩きながら、クッキーはうめき声をあげている。
「あうう”ぅ〜…」
「情けねぇ声出すなよなっ、お前、呪文使えんだろ、ホイミで回復すりゃいいじゃねぇかっ」
「え?…あ、そ、そうかぁ〜」
クッキーはパッと疲れた顔を輝かせた。…どうやら忘れていたらしい。
『ホイミッ』
ピンクの光がクッキーを包んだ。
「…ふぅう…助かった〜」
「ほら、さっさと探せよ」
は沼地に手を突っ込んで探った。
この何処かに『ラーの鏡』があるはずなのだ。
…と。は何か硬いものを踏んづけて足を滑らせた!
「うおおぉっっ!?」
――ばっしゃ〜〜んっ!!!
は頭から毒沼に突っ込んでしまった!!
…がぼがぼがぼがぼ。
「うわぁ、〜っ!?」
クッキーが慌ててばしゃばしゃと駆け寄ってくる。
漬かっているだけで体力が奪われる毒の水。はしこたま飲んでしまった!!
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「うがががが」
さすがのもすぐに目が回ってきた。
必死に水面に出ようともがくが、そうこうする間にもどんどん体力は奪われ身体中に毒が回っていく。
起き上がれない。
―こ、こんな死に方は嫌だ…!!!
が激しく思ったとき、ぐいっと腕を引っ張られた。
クッキーがなんとかを助け起こしたのだ。
『ホイミ〜っ!!』
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「…た、助かったぜ…」
「よ、良かった〜。こんなマヌケな死に方ってないよね〜」
クッキーはにこにこ笑ってサラリと言った。
一瞬殺意を覚えただったが命を助けられた手前何も言い返せなかった…。
が踏んづけたのは『ラーの鏡』だった。…幸い割れてはいなかった。
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何とか沼地を後にしてムーンペタの街を目指すとクッキー。
「これで、後は呪いを解くだけだね〜。ああ、ドキドキするなぁ〜」
クッキーはにこにこ笑って上機嫌である。
「…そうだな」
の方はまだ少し具合が悪そうだ。
…と。
突然、あたりがふっと暗くかげった。
「?」
不思議に思って辺りを見回す二人が目にしたものは…。
「マ、マ、『マンドリル』だぁ〜っっ!!!」
クッキーは絶叫した。
猿系の大型モンスター。その巨体がうずくまると、ちょっとした茶色い山が出来たようである。
「く、くそっ!!」
は剣に手をかけ『マンドリル』を睨んだ。
ムーンペタの街はもうほんの目と鼻の先。駆け込んでしまえば振り切れるかもしれない。
どうする?