「ええっ!う、うん、分かった!!」
クッキーはとっさに剣を収め、両手を前に突き出した。
『ギラッ!!』
激しい炎が死体を焦がす。
悪臭はさらにひどくなったが、は一気にかたをつけようと死体に向かって駆け出した!
――ザシュウッ!!
確かな手ごたえ。
腐った死体はそのまま仰向けにひっくり返った。
切り口からさらに悪臭がふき出してあたりの腐敗臭がいっそう激しさを増す。
「へ…っ、なんだ、弱ぇな」
「、すごい、すごい!!」
クッキーは手を叩いて喜んでいる。
は得意満面で剣を収めた。
「はっはっは!ま、当然だろ、…ま、お前もまぁまぁやるじゃねぇかっ」
「え?そう〜?」
珍しく誉められたクッキーは、照れたように笑って頭の後ろをかいた。
は爽やかな笑みを浮かべた。
「ああ。ただの役立たずかと思ってたぜ」
「………」
▼
2人は城のだいぶ奥までやって来た。
もう鼻もマヒしてほとんど利かなくなっている。
「あぁ〜っちくしょう、手掛かりなんかねぇじゃねぇかっ!!」
はいい加減この辛気臭い城に嫌気がさしてきた。
「だ、だからぼく、言ったのに…」
ぼそぼそとクッキーがいうと、とたんにの怒声が飛ぶ。
「なんだとクッキーッ!!!」
必要以上にガラの悪いは腹いせにクッキーに掴みかかった。
胸倉を持ち上げられてクッキーは苦しそうにもがく。
「だ、だってさぁ〜…っ」
…と。
はクッキーの後ろ、沼地の影に、地下へ下りる階段があるのを発見した。
「おい、あっちはまだ行ってなかったよなぁ…。…いかにも怪しそうだぜ」
はニヤリと笑って手を放す。
―どすんっ
尻餅を突いたクッキーは、恨みがましそうにを見上げ……あるものを発見した。
「ね、ねぇ、あっち!見て、見てよ、ほら!なんか、光ってるよ〜。お化けかなぁ〜?」
「何?」
が振り返ると確かに奥の部屋へ続く扉の影で、ちらちらと光が舞っているのが見えた。
方向からして、おそらくその部屋は玉座の間だ。
どうする?
当然俺様が発見した階段へ向かう たまにはクッキーも立てて光の方へ行ってみる