ドラクエ2 ゲームブック 〜王女の呪い〜
元は豪奢であったと思われる、崩れた扉の隙間から、ちらちらと光が見えた。
「…うう、なんだろうね〜」
クッキーはびくびくとの後ろについて様子を伺っている。
「行ってみようぜ…」
はずんずん進んで光に近づいた。
…と、光の玉は徐々に強い輝きを放ち始めた…。
「わしはムーンブルク王じゃ…。」
何処からか男の声が聞こえる。声と光は重なって揺れた。
「なんだって!?」
「王様!?」
辺りを見回せば、薄汚れてはいるが確かにそこは玉座の間。
光はちょうど玉座の真上あたりをふわふわと浮かんで揺れていた。
「…わが娘プリンは、呪いをかけられ犬にされたという…。」
クッキーはの背中から身を乗り出して叫んだ。
「王様、プリン姫は、生きてるんですか!?」
続いても叫ぶ。
「何か、手掛かりがあるんなら、教えてくれ!」
光の玉はまたくるくると弧を書くように揺れた。
しかし徐々に光は弱まってゆく。
「……口惜しや…」
最後の声が響いて、光の玉はすぅっと闇に溶けた…。
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「うぅ〜ん、犬かぁ……」
クッキーは腕を組んで首をひねった。
「犬なんかそこらじゅうにいるだろ、分かんねぇよっ」
ちっと舌打ちしてはぼやいた。
しばらく考え込んで、クッキーはぱっと顔を輝かせた。
「そうだ、そういえばさ…!」